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「賃貸か持ち家か(後編)」
前回コラムで書きました賃貸と持ち家(新築)での50年比較では、単純計算の試算ではありましたが賃貸で住居費を抑えつつ、資産運用をした方が老後の心配は少なくなりそうな結果でした。
中古住宅購入50年シミュレーション
中古住宅を取得総費用1,500万円で購入した場合。
内訳)物件本体500万円、改修等費用500万円、機器導入350万円、その他経費150万円
条件:金利固定2.5%、35年ローン、ボーナス払いなし、物価上昇率無視、頭金なし
比較対象:家賃月額6万円の賃貸、取得総費用4,000万円の注文住宅(ボーナス時20万円×年2回)
| 属 性 | 賃 貸 | 中古住宅 | 注文住宅 |
| 支払 月額/年額 | 60,000/72万円 | 53,624/約64万円 | 92,949/約151万円 |
| 35年間総支払額 | 2,520万円 | 約2,252万円 | 約5,303万円 |
| 総支払利息 | 0 | 約752万円 | 約1,303万円 |
| 修繕管理費・保険料 | 約35万円 | 約700万円 | 約1,000万円 |
| 固定資産税 | 0 | 約175万円 | 約420万円 |
| 更新料・諸費用 | 約105万円 | 約150万円 | 約120万円 |
| 住宅ローン控除 | 0 | 約▲100万円 | 約▲270万円 |
| 35年間総支出額 | 約2,660万円 | 約3,177万円 | 約6,573万円 |
| 以降住居費 | 1,080万円 | 0円 | 0円 |
| 以降維持費 | 約15万円 | 約400万円 | 約400万円 |
| 36~50年総支出額 | 約1,095万円 | 約400万円 | 約400万円 |
| 50年間総支出額 | 約3,755万円 | 約3,577万円 | 約6,973万円 |
1,500万円の35年フルローンにしても月額54,000円の支払いで住宅を取得することができ、定期点検や設備の補修等を適切に行ったと考えても35年間の総支出額で賃貸とあまり大きな差がありません。住宅ローン完済後も維持管理や固定資産税で出費はあるものの、老後は安心して住み続けることができるようです。
50年間住むことを考えると新築(4,000万円想定)>賃貸(家賃6万円想定)>中古住宅(1,500万円想定)の順で住居費は下がっていくことがわかります。
しかし、35年時点での賃貸と中古住宅の差は約500万円も賃貸に分があります。解り易く、新築・中古としてきましたが、重要なのは住宅ローンの融資総額で、取得金額によっては賃貸と同等の支出でも持ち家を持ち、維持管理できるということです。家賃6万円で35年間住んだ場合の総支出額は約2,760万円ですが、それに迫る住宅ローンの融資額は1,150万円です。総取得費用1,150万円でもう一度試算してみましょう。ついでに20年の短い期間でローンを組んだ場合も試算して比較してみましょう。
中古住宅を取得総費用1,150万円で購入した場合。
内訳)物件本体400万円、改修等費用400万円、機器導入220万円、その他経費130万円
条件:金利固定2.5%、35年ローン、ボーナス払いなし、物価上昇率無視、頭金なし
比較対象:家賃月額6万円の賃貸、同中古住宅を20年ローンにした場合
| 属 性 | 賃 貸 | 中古35年ローン | 中古20年ローン |
| 支払 月額/年額 | 60,000/72万円 | 41,112/約49万円 | 60,939/約73万円 |
| 35年間総支払額 | 2,520万円 | 約1,726万円 | 約1,462万円 |
| 総支払利息 | 0 | 約576万円 | 約312万円 |
| 修繕管理費・保険料 | 約35万円 | 約700万円 | 約700万円 |
| 固定資産税 | 0 | 約175万円 | 約175万円 |
| 更新料・諸費用 | 約105万円 | 約150万円 | 約150万円 |
| 住宅ローン控除 | 0 | 約▲90万円 | 約▲90万円 |
| 35年間総支出額 | 約2,660万円 | 約2,661万円 | 約2,397万円 |
| 以降住居費 | 1,080万円 | 0円 | 0円 |
| 以降維持費 | 約15万円 | 約400万円 | 約400万円 |
| 36~50年総支出額 | 約1,095万円 | 約400万円 | 約400万円 |
| 50年間総支出額 | 約3,755万円 | 約3,061万円 | 約2,797万円 |
どうでしょう、35年時点で月額6万円の賃貸に1万円まで迫りました。月の返済額は約4万円で、その分を維持管理の積み立てとして資産運用に回せそうですね。更にローン期間を短縮すると月々の負担は増すものの家賃と同程度の月々支払いで総支払利息が45%軽減され、264万円もの差が生まれています。20年間の完済時点から住居費は一気に圧縮され月額の負担が3万円程度で済みます。取得時に無理のない範囲でローンを組み、維持管理費用の積み立てを資産運用すれば早期に負担軽減することができそうです。
就職氷河期世代でも検討できる余地がある
就職氷河期世代でも、取得費と完済までの維持管理費等を計算し、月額の積み立て等を適切に行えば1,000万円~1,300万円程度の住宅ローン返済+住宅の維持管理は可能なのではないでしょうか。頭金があれば融資額を更に抑え、月々の負担を減らせますし、団信への加入で、もしもの備えにもなります。更に補助金を受けることができれば改修費用等の負担を軽減できます。また、一旦取得してしまえば賃貸住宅として貸主になることも可能です。施設入所を検討する際にもしっかりと維持管理された住宅であれば貸して、その家賃収入を利用料に補填できます。
持ち家は資産か
35年の長期ローンを組める年齢であれば、住むことも貸すこともできます。貸すことができるのであればそれは立派な資産と言えるのではないでしょうか。また、月々の住居費負担を抑え、その余力を資産運用に回せれば、持ち家は資産形成のきっかけになるという可能性が生まれてきます。35年時点で家賃6万円と大差がないですが、それは35年間の維持管理費の1,000万円弱が含まれるからです。その維持管理の積み立てを資産運用で行うならば、年間利回りを控えめに年2%で計算したとして35年後にはいくらの余力が生まれるでしょうか。別の機会に詳しくご紹介いたしますが、家賃6万円から返済額を差し引いた2万円を毎月積み立て、年2%以上で運用し、15年ごとに300万円を支出して補修をしたとしても、ローン完済時には解体費以上の残高が残るという試算が立ちます。
結論:持ち家は取得費用が抑えられれば資産と成り得る。
いかがだったでしょうか、初めて前後編に分けての記事となりましたが、夢のある話になったでしょうか。当然、試算は試算ですし、資産運用しても時には元本割れをするリスクもあります。不慮の事故や災害で住宅に被害が出ることもあります。物価や金利の上昇で維持管理費が増大することもあるでしょう。物価上昇や金利上昇は資産運用している場合は追い風になることもあります。ライフステージが変わると世帯人員数も変化します。一概にこうなるとは言えない架空の話にしかなりえませんが、持ち家は果たして資産といえないものなのか、負動産でしかないのかという論点を題材としてみました。
米沢市の低廉な空き家等を改修して資産形成計画を立てることに興味を持たれましたら、当社までご連絡をお待ちしております。
出典一覧
令和7年度 住宅経済関連データ
出典元:国土交通省
全国平均家賃データ
- 「全国家賃動向」 ※最新情報はアクセスした時期によります。
出典元:全国賃貸管理ビジネス協会











