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「ツーバイフォー工法で組む資産形成」
ツーバイフォー工法とは
住宅の話をする際にツーバイフォー(以下「2×4」という。)という言葉をよく聞くと思います。2×4とは2インチ×4インチの規格材で枠組みを組んで、枠組に構造用面材を接合して、剛性の強い版を構成し、それらを一体化し六面体を形成する工法です。六面体の箱型を基本構造として住宅を組み上げたのが2×4住宅であり、耐震性・耐火性・耐久性・省エネ性が日本の従来工法である軸組み工法よりも高い性能を持つのが特徴です。また、使用する木材の量は多くなりますが、一般的に軸組み工法よりも工期も短く、高度な大工技術を要さないこともあり、総じて建築費が安く済むと言われています。
2×4の歴史
一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会の資料を見てみると、明治時代の北海道にアメリカ系建築としてバルーン・フレーム構造が導入され、それが2×4工法の原型と言われています。日本最古の2×4建築物は札幌時計台(明治11年築)と言われていて、2×4住宅としては明治末期に建てられた神奈川県の旧木下家別邸とされています。そこから本格的に導入されるまでしばらくかかりますが、実に100年を超える歴史があることがわかります。そして、昭和49年7月の建築技術基準の告示を受けて徐々に広まりました。2000年の建築基準法改正で性能規定化され今日に至ります。当初はアメリカの技術であったため、日本の風土に適合しきれず壁の中が腐朽したりカビが生えたりしたようですが、技術向上により徐々に日本の風土に適応してきました。
2×4の耐用年数
一般的に日本の住宅は35年程度で滅失するという統計があります。宅建業の慣習として建物評価を法人税法上の耐用年数を準用して22年で減価償却してきました。しかし、実際には適切に管理すれば維持費はかかるものの長く住むことが可能な住宅です。それぞれに風土環境や施工者の技術、建ててからの環境影響などで何年保てると一概には言えません。しかし、札幌時計台を考えれば、適切に維持管理されていれば長期に渡って使用できる可能性は高いと言えます。
2×4住宅の良さ
2×4住宅には普遍性のある使い勝手の良さと丈夫さがあると思います。まるでデニムのジーンズのようです。特徴の項目でも挙げましたが以下の良さがあります。
・耐震性 剛性の高い版による六面体構造で揺れても歪みにくい。
・耐火性 ファイヤーストップ構造で燃え広がりにくい。
・耐久性 剛性の高い壁構造でパネル1枚1枚が耐力壁として機能する。
・省エネ性 構造的に気密性が高く、断熱性、遮音性が高い。
特に耐震性が一定以上確保しやすいので、かし保険やフラット35に適合しやすい点が大きいと思います。また、壁の構造自体が省エネ性を一定レベルで担保するので修繕・改修によって更に向上させやすい利点もあります。耐火性に関しても2015年には2時間耐火構造の認定を取得して、5階以上の耐火建築物を建てられるようになった点も大きいです。新築を検討する際には将来性や各種制度を考慮しても優位性があるように感じます。安い・早い・強い・省エネ・長持ちという木造に限れば他に選択肢がないような性能ですね。
既存住宅としての2×4
アメリカ初の木造建築工法が日本で進化し、今では最強で最高かよと言いたくなるような2×4住宅です。しかし、既存住宅に限定するとその建てられた時期や導入されている技術によって差があるので一概に万全とは言えません。よって、適正な調査や修繕、検査を経て問題が無いことを証明された上で、入居後も適切で計画的な維持管理が必要です。それが可能であれば2×4の既存住宅を購入し、長く住み、時には貸し、売ることも可能なのではないでしょうか。既存住宅は新築と比べて総取得費を抑えることが可能なので、その余力で維持管理費を計画的に積み立てていくことも難しくないと思います。特に今は新NISAを利用することで、期間無制限の非課税で積立投資ができます。
2×4住宅の見極め
日本の住宅のほとんどは従来工法である軸組み工法で作られています。2×4住宅は全体の2割程度と言われており、施工業者が限られていることがその主な要因です。そして、状態の良い2×4住宅はたいてい築年数が浅く低価格で市場に出回る可能性は低いということです。また、外観からはなかなか見極めることは難しく、設計図面や点検口から専門家の目で確認して判別する必要があります。
2×4とNISA
2×4住宅自体が使用価値を維持しやすいことがわかりました。しかし、維持管理には費用が必要です。如何に丈夫であっても維持管理されていない住宅は朽ちていきます。そこで、低廉な空き家等として既存住宅を購入し、調査し、必要な修繕をし、使用価値と住環境を回復して、住宅ローンを長期で組み、同時に住居費の一部としてNISAで維持管理費を積み立て資産運用するのはどうでしょう。
住宅ローンとNISA積み立てのシミュレーション
物件本体価格を800万円、修繕改修費を300万円、住宅設備に200万円、経費と予備費に200万円で総取得費1,500万円を計上し、フルローンで借り入れします。ローン期間は35年、金利2%、毎月約50,000円の支払いと仮定します。
そして、毎月2万円を控えめに年3%の利回りで運用し、15年に一度、少し多めに400万円の改修を行うというケースで試算してみましょう。
総取得費1,500万円、ローン期間35年、金利2%、返済月々50,000円
維持管理積立:月2万円、運用利回り年3%、15年ごとに400万円支出
その他維持費:固定資産税、各種保険、諸費用から減税を控除し35年間で250万円
| 住宅ローン | 積立(NISA) | ||
| 月々の返済額 | 50,000円 | 月々の積立額 | 20,000円 |
| 借入金額 | 15,000,000円 | 年間積立額 | 240,000円 |
| 総支払利息 | 約5,900,000円 | 15年間の元本 | 3,600,000円 |
| 総返済額 | 約20,900,000円 | 15年後修繕前残高 | 約4,520,000円 |
| 年間返済額 | 600,000円 | 修繕費 | 約4,000,000円 |
| 35年累積修繕費 | 約8,000,000円 | 修繕後残高(再投資) | 約520,000円 |
| その他累積維持費 | 約2,500,000円 | 30年後修繕前残高 | 約5,330,000円 |
| 35年間総住居費 | 約31,400,000円 | 35年後の残高 | 約2,830,000円 |
| 住居費年間平均額 | 約897,000円 | 累積運用益 | 約2,150,000円 |
現在の物価、金利や運用事例を参考に費用をやや多めに計上し、運用益をやや少なめに計算してみました。単純に15年ごとの改修積み立てを貯蓄するだけでは若干不足する月額2万円で積立運用しても間に合いました。その他に計上した固定資産税や保険料などを考慮しても月額70000円で維持管理費用まで賄うことができます。積立額や運用利回りを大きくすればそれだけ多くの資産を形成できます。現在ある程度の資金があるのであれば、頭金としてローン負担を軽減することもできますし、初期の運用資金にすればそれだけ多くの運用益を生み出せます。
では、手持ち資金から300万円を住宅のために支出すると仮定して、頭金として借入金を抑えたパターン1と、当初運用資金にして以降月々2万円ずつ積み立てていくパターン2で試算します。
パターン1:借入額1200万円に抑えた場合
パターン2:当初運用資金300万円で積み立てた場合
| パターン1 | 1200万円借入 | パターン2 | 当初資金300万円 |
| 月々の返済額 | 40,000円 | 月々の積立額 | 20,000円 |
| 総支払利息 | 約4,700,000円 | 15年後修繕前残高 | 約9,200,000円 |
| 総返済額 | 約16,700,000円 | 30年後修繕前残高 | 約12,600,000円 |
| 累積維持費 | 約10,500,000円 | 35年後の残高 | 約11,260,000円 |
| 35年間総住居費 | 約27,200,000円 | 積み立て元本 | 約11,400,000円 |
| 年平均住居費 | 約777,000円 | 累積運用益 | 約7,860,000円 |
| 月平均住居費 | 約65,000円 | 修繕費払出 | 計約8,000,000円 |
・借入額が1,500万円と1,200万円の35年後の総住居費差額は420万円でした。
・NISA当初資金が0円と300万円で15年ごとに400万円を払出した場合の35年後の総運用益差額は531万円でした。
しかし、これらはどちらも一定の条件による試算なので、まだ総支払額を抑えるのと手元資金を増やすのでどちらが有利なのかまではわかりません。
試算の結果、月々の返済額を抑えることも、NISAを活用して積立投資をすることもどちらも有効だということがわかりました。
借入額を抑え月々の負担を軽減するのは守り重視、当初運用資金を用意して運用益を延ばすのは攻め重視です。
手持ち資金に余裕があれば、バランスを見極めて人生設計ができそうですね。
結論:2×4住宅は堅牢な貯金箱に成り得る。
出典一覧
ツーバイフォー工法について
- 「ツーバイフォーとは」
- 「日本のツーバイフォー建築の歴史(年表)」
- 出典元:一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会
NISAについて
- 「NISAを知る」
- 「ライフプランシミュレーター」
- 「つみたてシミュレーター」
- 出典元:金融庁
- 「つみたて(積立)投資シミュレーション」
- 出典元:三菱UFJアセットマネジメント











