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「隠れた危険とその責任所在」
2025年を表わす漢字は「熊」が選ばれましたね。日本各地で熊が出没し、特に東北地方では人的被害も少なくなかった印象です。米沢市では市役所からのクマ出没情報が毎日何件も出されました。その中には、市内中心部での出没報告もあり、周辺を封鎖して探索し、なんと空き家の中にいるところを発見されました。熊の専門家の話では、熊は危険を感じると暗く閉鎖されたところに隠れる性質があるとのことです。
また、2025年12月に起きた米沢市の火災では、6件延焼しそのうち4件が全焼したそうです。そして、その大半が空き家だったそうです。これは正確な情報ではありませんが、全焼した空き家の中に誰かがいた形跡があったとのことです。
消防庁の調査(令和5年版 消防白書)によれば、空き家を含む「放火」および「放火の疑い」による火災は、全火災の出火原因の上位(約2,031件)を占めています。管理不全な空き家は不審者の侵入を招きやすく、一度火災が発生すれば隣家への延焼責任(失火責任法による例外を除き、管理に重大な過失があれば損害賠償リスク)を問われる可能性も否定できません。
このように、空き家は不審者や動物が侵入し、居着いてしまう可能性があります。その結果、何らかの被害が起きた場合の責任は誰に降りかかるのでしょうか。
空き家、空き地等の責任の在り処
住む人がいなくなって空き家になった、建物が無くなって空き地になった場合、所有者または所有権を持っている人はその維持管理責任があります。所有権を持っている人とは、登記簿上の名義人の相続人も含まれます。相続放棄を適正に手続していればその責任は原則として負いません。しかし、相続発生当時(被相続人の死亡時)にその家に住んでいた場合等には、相続放棄してもその維持管理責任が残ります。維持管理責任を免れるには、相続財産を管理する人(相続財産整理人)が必要になります。裁判所に相続財産整理人選任の申立てをし、その清算費用に充てるために予納金を支払います。相続財産の内容によりますが、30万円~100万円程度は必要と言われています。
中古住宅を売買した後の責任
中古住宅を売買する際に、契約に際して事前に条件交渉を行います。その際に売主と買主はそれぞれ売買後の責任についても話し合います。その条件の中で、価格を安くする代わりに引渡し後の対象物件について、売主の責任を免除することが多いです。そうなると、引渡し後の責任は原則として買主が負うということになります。しかし、売主から買主に引き渡された後に修補・リフォームを実施する場合、その責任は施工業者にもあります。また、取引に関係した宅建業者にも一定の責任があります。そこで、売買当事者の他に宅建業者も加入できる「既存住宅売買瑕疵保険」があります。
既存住宅売買瑕疵保険
既存住宅売買瑕疵保険とは、中古住宅の売買後に発覚した欠陥や不具合について、一定の範囲で一定期間保証を受けられるという保険です。国土交通大臣から指定を受けた住宅瑕疵担保責任保険法人の5法人のみが運営しています。保険加入者は売主または仲介する宅建業者、保険の付保のために検査した登録検査機関などです。
【住宅瑕疵担保責任保険法人】
(株)住宅あんしん保証
住宅保証機構(株)
(株)日本住宅保証検査機構
(株)ハウスジーメン
ハウスプラス住宅保証(株)
【保証範囲】
住宅の構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分で、検査範囲も一緒です。この保証・検査範囲は既存住宅状況調査の調査範囲と一致します。 ※特約によって給排水管や設備など保証範囲を追加可能です。
【保証期間】
引渡しから1年間または5年間など。 ※宅建業者売主の場合には2年間または5年間
【保証限度額】
500万円、1000万円など。※免責金額5万円程度
【保険金支払い範囲】
補修費用・調査費用・仮住居、移転費用
保険加入には事前に登録検査機関の実施する検査を受けて合格する必要があります。検査をする機関にも責任が発生しますので、登録検査機関自身が加入することもできます。審査基準には新耐震基準に適合しているのかも含まれていますので、付保された場合には一定の安全と安心が保証されているということにもなります。また、既存住宅売買瑕疵保険の付保はフラット35の金利引き下げ要件でもありますので、そのメリットはとても大きいと言えます。しかし、保険が付保されたからと言って万全というわけではありません。
保証の範囲、期間、金額は中古住宅の「隠れた瑕疵」を全て保証するには当然至りません。しかし、それは新築であっても同様で、完璧なものなど存在しないと考えてよいでしょう。
なお、検査の結果が不合格で既存住宅売買瑕疵保険の付保ができない場合にも、その原因を修理・補修したのちに再度検査を実施し、合格すれば付保できます。ただし、保険期間は現実の引渡しから始まるため、買主が中古住宅に入居する前に検査に合格し付保される必要があります。
実際に欠陥・不具合が発見されたとき
買主(居住者)は、既存住宅売買瑕疵保険の付保をした加入者(宅建業者や検査機関)にその旨を通知し、加入者は保険法人に保険金を請求し、対象の住宅の補修等をし、保険法人はその費用を支払います。加入者が倒産などで存在しなくなったときは、保険法人が直接買主に保険金を支払います。その際には免責金額である5万円は買主が実費負担しなければなりません。
既存住宅状況調査を実施し、欠陥・不具合が見つからなかった場合
売主が実施した1年以内の既存住宅状況調査で不具合等が無かったという報告書がある場合は、入居後リフォーム等を行わないのであれば、検査及び審査を経て既存住宅売買瑕疵保険の付保を受けられる可能性が高くなります。その場合、入居後にリフォーム等を行うのであれば、付保後のリフォーム部分に既存住宅売買瑕疵保険の保証が及びませんので、別途リフォーム保険に加入することをおすすめします。
新耐震基準を満たせない場合
取引される既存住宅が旧耐震構造で、新耐震基準を満たすためには大規模な改修が必要になり費用対効果が見合わないことがあります。例えば、基礎部分に改修が必要な場合などです。その場合は、残念ながら既存住宅売買瑕疵保険の付保はできません。なので、その場合は取引価格を引き下げるなどの条件交渉による対応で売主買主双方が合意していただくことになります。
当社の提案提供するもの
当社は、原則として売主主導で既存住宅状況調査を実施することで市場に出る前に不具合等を調査しできるだけ明らかにして、売主の契約不適合責任負担の軽減を提供します。そして、原則として買主主導で必要な補修、希望するリフォーム等を経て既存住宅売買瑕疵保険の検査・付保をすることで、入居後の住環境の安心を提供します。国土交通省の調査報告によれば、既存住宅状況調査の実施も既存住宅売買瑕疵保険の付保もまだ一般化はされていませんが、これらは中古住宅市場の安定化と流通促進のために制度化された施策です。当社はその理念と制度に則り、適正で安心・安全かつ公正な取引を目指しています。
出典一覧
空き家火災
出典元:国土交通省
法的手続き・管理責任
出典元:裁判所
出典元:法務省
出典元:財務省
瑕疵保険・インスペクション制度
出典元:国土交通省
出典元:一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険協会
住宅ローン・政策
出典元:住宅金融支援機構











