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「中古住宅購入時の不安要素」
「安く買えるから」という理由で中古住宅の購入を検討する際にどうしても不安な要素が出てきます。それは何といっても、買った後(引渡し後)に欠陥があったら、という点ですね。「中古住宅だから安い=欠陥があっても良い」ではないのです。安いと言っても住宅ですからその金額は大抵の場合、無視できる金額ではありません。
また、中古住宅の売買の場合は、住宅を売る方も似たような不安を抱きます。なぜなら、売った後に売買当事者の双方が気付かなかった欠陥(隠れた瑕疵)が見つかった時の責任が原則として売った側にあるからです。
契約不適合責任について ※2020年民法改正以前は「瑕疵担保責任」と言われていました
契約不適合責任とは、売主の引き渡した目的物(商品など)が、種類・品質・数量において契約の内容と適合しない場合に売主が買主に負う責任のことです。例えば、スーパーで「りんごを10個」買ったとして、数が足りなかったり、品質の悪いりんごが入っていたら、スーパーは足りない分を提供したり、適正な品質のりんごと交換したりする責任があります。しかし、初めから「傷ありりんご」としてポップ等でわかりやすく明示されたうえで通常品よりも安く売られている場合には、傷がある代わりに安いことがわかりやすく表示されていると言えるので、買った人は売った側に明示されている「傷」について契約不適合だとは言えません。
契約不適合責任の免除規定
空き家バンクを利用した低廉な空き家の取引などの場合は、売買契約の条件として、契約書の条項に契約不適合責任の免除(当該土地及び建物の引き渡し後に発見された欠陥・不具合について、売主は買主に対しその責任を負わない、など)を規定している場合があります。
これは売買当事者双方が一般の消費者(宅建業者以外のもの)で、かつ、取引する中古住宅の内容について重要事項説明があり、契約書の条項に明記され、条件に合意したうえで契約を締結している場合は有効です。
売主としては、欠陥・不具合があるかも知れないけれど、処分価格で引き渡すので責任については免除してくださいね、ということです。買主としては、破格の値段の代わりに欠陥・不具合があった場合は買主の自己負担で直します、と同意していることになるわけです。
宅建業法上の契約不適合責任についての規定
それに対し、宅建業者が売主として中古住宅を販売した場合、契約不適合責任期間は最低2年間です。
売買契約書に2年間未満の責任期間であることを契約条項に記載している場合、買主にとって一方的に不利な条項だと捉えられその条項は無効(契約自体は有効)となります。契約不適合責任期間や免除などの規定が無効の場合は、契約不適合責任について民法上の原則を適用し、買主が売主に対し「契約不適合を知ってから1年以内の通知」をすれば売主に契約不適合責任を請求できます。その場合、欠陥部分の修補、売買代金の減額または売買契約の解除、場合によっては損害賠償請求も可能です。
とはいっても、損害賠償請求は売主に故意性、有過失が認められる場合に限られます。
不具合判明から時間が経過すればするほど責任の在り処や原因の証明が難しくなるので、できるだけ早く通知して対応してもらい証拠保全に努めましょう。
既存住宅状況調査(インスペクション)について
ここまで法律上の責任の在り処や期間、その対応などの一部を紹介してきました。ここまで読んでいただいても、実は不安の解消にはまるで寄与していない、むしろ増大しているのではありませんか?そこで紹介したいのが「既存住宅状況調査(インスペクション)」です。既存住宅状況調査とは建築士が講習と試験を経て登録された技術者として行う法律に基づいた制度上の調査です。
法令上の文言を引用して説明すると「既存住宅に係る住宅の品質確保の促進等に関する法律第九十四条第一項に規定する住宅の構造耐力上主要な部分等の状況の調査」で「既存住宅状況調査を行う技術者で、国土交通大臣の登録を受けた既存住宅状況調査技術者講習の修了証明書を有する既存住宅状況調査技術者」によって実施されるものです。技術者講習の受講資格は一級建築士、二級建築士、木造建築士です。類似の言葉にホームインスペクションなどがありますが、全く別のものです。
この調査を受けることで「国家資格を持ったプロが欠陥・不具合を調査した」証拠が報告書としてできあがります。
既存住宅状況調査報告書を見れば欠陥や不具合は見つからなかったのか、またはどんな欠陥や不具合があるのか「わかりやすく表示」されているわけです。実際の中古住宅を内見し、宅建業者から説明を受け、確認・納得・合意して契約すれば、責任の在り処はある程度明確になっているはずです。なぜある程度かというと、調査では発見されなかった欠陥・不具合(隠れた瑕疵)があるかも知れないからです。
既存住宅状況調査の調査範囲とその方法
既存住宅状況調査の調査範囲は、
★構造耐力上主要な部分の調査(構造に応じて規定)
★雨水の浸入を防止する部分の調査(構造に応じて規定)
★耐震性に関する書類の確認(第十一条)
となっていて、その方法は「原則として非破壊」で確認することとなっています。具体的には、目視・打診・計測によって調査します。つまり、見えない、届かない、計測できない部分は調査できません。それでもプロが調査項目に沿って責任を以て調査するのでその恩恵はあります。※既存住宅状況調査の詳細は本記事下の出典一覧のリンクから確認してください
既存住宅状況調査のメリット
既存住宅状況調査の主なメリットは「安心の可視化」と「取引リスクの軽減」です。 買主・売主双方にメリットがあり、制度的にも保険や保証と結びついています。また、フラット35の金利引き下げ要件にもなっています。
買主のメリット
★予期せぬ補修リスクが軽減される
★納得感のある安心できる取引ができる
★新耐震基準を満たし欠陥・不具合が見当たらなければ既存住宅売買瑕疵保険の付保を受けられる
★フラット35の金利が引き下げられる
売主のメリット
★第三者による検査で物件の信頼性が高まる
★不安を減らし、トラブル予防になる
★早期売却可能性が高まる
★欠陥や不具合があった場合にも、対策や条件交渉で透明性の高い取引ができる
以上のような恩恵があると考えられます。
既存住宅状況調査のデメリット
制度開始から徐々に実施件数が増えてきましたが、国土交通省の実施状況調査報告を確認するとまだまだ制度の周知も実施の一般化も遅れていることがわかります。調査義務がないこともありますが、それとは別にデメリットが存在するからでしょう。
既存住宅状況調査のデメリットとしては、欠陥・不具合が見つかった場合、物件売買価格がなかなか決まらない、売買契約自体が不成立になるなどが挙げられます。ただし、この2点は主に買主の希望により実施した場合に想定されるものです。
売主が既存住宅状況調査を実施する場合には、物件情報を市場に出す前に中古住宅の欠陥や不具合の有無を確認しますので、無ければ無い、あったらあったなりの対応(明示した上での売出価格の引き下げや問題箇所の事前補修・修繕の実施など)が可能です。調査を実施せずに売買したあとに欠陥・不具合が見つかって契約不適合責任を負うことなどと比べれば、事前に調査を実施して売りに出した方が安心できると思います。
当社の方針
当社では、中古住宅売買の透明性を確保し、売主買主双方に対し安心を提供し、宅地建物取引業者として購入者等の利益の保護及び円滑な不動産流通に資するよう、既存住宅状況調査の実施を原則として採用しています。その上で、その対応を提案し、最終的には既存住宅売買瑕疵保険の付保を原則とすることによって、売主買主双方の将来の安心を提供したいと考えております。
出典一覧
契約不適合責任(民法改正)
「令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント」
出典元:法務省
出典元:契約ウォッチ
- 「2020年民法改正により瑕疵担保責任が変更」
出典元:青山東京法律事務所
宅建業法における契約不適合責任期間
- 「契約不適合責任について②」
出典元:国土交通省 - 「宅建業法、品確法、消費者契約法における特別の定め」
出典元:東京都住宅政策本部
既存住宅状況調査(制度概要・技術者制度)
- 「既存住宅状況調査方法基準の解説」
- 「既存住宅状況調査技術者講習制度について」
出典元:国土交通省 - 「既存住宅状況調査とは」
出典元:全日本ハウスインスペクター協会 - 「既存住宅状況調査技術者」
出典元:日本建築士事務所協会連合会
既存住宅売買瑕疵保険
- 「既存住宅売買瑕疵保険について」
出典元:国土交通省 - 「既存住宅売買瑕疵保険とは」
出典元:SUUMO
フラット35(適合証明・維持保全型)
- 「技術基準【フラット35】」
- 「【フラット35】維持保全型 利用要件」
出典元:住宅金融支援機構 - 「フラット35を利用するために必要な適合証明書とは」
出典元:SBIエステートファイナンス











