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「宅建業者の媒介契約とは」
当社では、主に低廉な空き家等の売買取引の媒介業務を行う予定です。中古住宅の買取りはいたしません。賃貸物件も扱う予定はまだありません。しかし、媒介という言葉自体一般的に日常的に使われる言葉でもありません。宅地建物取引業者(以下、「宅建業者」といいます。)の業務は多岐に渡り、一つ一つ説明すると読む方もとても大変なので今回は「媒介」についてだけ、説明して理解を深めていただこうと思います。
媒介契約とは
一般的日常的に使われる言葉で媒介に近いものは仲介です。媒介と仲介では使われ方が違いますが、意味としてはかなり似通った言葉です。宅地建物取引業(以下、「宅建業」といいます。)における媒介を簡略的に表現すると、不動産取引の取引当事者の依頼に基づいて契約の成立に向けて尽力する行為です。もう少し詳しく説明すると、中古住宅を売りたいお客様と買いたいお客様をマッチングし、その橋渡しをすると同時に専門家として物件の調査をし、法令との適合性を確認し、取引価格等を相場や評価から意見を述べ、その他の条件交渉などで間に立って取り持ち、それらを第三者にもわかるように説明して、書面にして交付するなどの契約の成立に向けた業務を担うことです。
媒介業者とは
不動産取引を望む人が媒介契約で依頼した宅建業者を媒介業者と言います。媒介業者は非常に難しい専門的な知識や経験を駆使して取引の物件の調査や内容説明、交渉などを代行してくれる人です。媒介業者の宅建士は、取引上重要な内容や法律や契約のことをお客様にわかりやすく説明して、理解してもらったうえで納得のいく契約締結のために存在しています。言い換えると、媒介業者や宅建士は不動産取引を望む人の「頭脳と五感」として働く人です。その仕事への報酬が媒介報酬ということになります。
売主側媒介業者と買主側媒介業者
不動産を売りたいお客様は、媒介契約を通して宅建業者に売却のお手伝いを依頼します。不動産を買いたいお客様は、同じように媒介契約を通して条件に合う不動産の購入のお手伝いを依頼します。売りたいお客様の売却対象物件は自分の持っている不動産なので決まっています。しかし、買いたいお客様の購入対象物件は条件に合う不動産なので決まっていません。現在はWebで検索すれば多くの物件情報を見ることができます。不動産の購入を検討している方はその中から条件に合いそうな物件を探し、表示されている物件の情報に記載された取り扱い宅建業者に連絡をすることが多いと思います。しかし、中古住宅のポータルサイトなどを閲覧していて、同じ物件が複数の宅建業者によって重複した登録を目にすると思います。それは、売主と媒介契約を結んだ売主側媒介業者の他に、購入希望者からの媒介契約を結びたい宅建業者が登録しているからです。ここから分かることは、購入を希望するお客様は売主側媒介業者以外の宅建業者に媒介業務を依頼できるということです。
売主の選択肢
不動産の売却を希望している売主は、相談と調査と価格査定を複数の宅建業者にお願いして、その結果から媒介契約をする業者を選びます。査定価格であったり、人柄であったり、信頼感であったり、実績であったり、その選択の理由は人それぞれだと思います。大切で重大な取引なので、慎重に媒介業者を選んでください。後に説明しますが、複数の宅建業者にお願いすることも可能です。
買主の選択肢
不動産の購入を希望している買主は、購入したい物件が決まっていなくても媒介業者を選択することができます。条件に見合う物件を探すところから依頼することができるのです。例えば、購入したい物件が既に市場に公開されているのであれば、信頼できる宅建業者に媒介をお願いすることができます。その場合は、買主側媒介業者として、売主側媒介業者に連絡し、購入の申し込みをします。買主が媒介業者を選ぶ基準は信頼の他に物件情報が多い、お客様の声などの実績を示すものが多い、知名度が高いなどでしょうか。買主側も複数の宅建業者にお願いすることも可能です。
媒介契約の種類
媒介契約には3つの種類が宅地建物取引業法(以下、「業法」と言います。)及び業法施行規則に規定されていて、それぞれに違いがあります。
1、一般媒介契約
一般という名称ですが、依頼者側に制限のないタイプの媒介契約です。特徴としては複数の宅建業者に重ねて依頼することができる点です。複数業者に依頼した方が早く売却できるかも知れません。依頼を放置される可能性はぐっと減るでしょう。先に成約した業者が報酬を請求できる権利を獲得するので頑張ってくれるかもしれません。逆に他の業者が動いてくれればいいと面倒な案件の場合後回しになるかも知れません。なお、重複した媒介契約がある場合、それを明示する義務があるタイプとないタイプがあります。
2、専任媒介契約
他の宅建業者に重ねて依頼することができないタイプの媒介契約です。依頼者側の制限はそのくらいで、買主を自分で探すことも可能です。宅建業者側は2週間に1回以上の進捗状況の報告義務があり、締結の日から7日以内に指定流通機構への登録義務もあります。また、有効期間は3か月以内で、それ以上の期間を定めても3か月に短縮されます。更新後の期間も3か月以内に限定されます。
3、専属専任媒介契約
専任媒介契約よりも更に制限が付き、売主は自分で見つけた買主と取引することができません。つまり、宅建業者が見つけてきた買主としか取引できません。宅建業者側では、1週間に1回以上の報告義務と、5日以内の指定流通機構への登録義務があります。有効期間は専任媒介契約と同じルールになります。
専任媒介と専属専任媒介の場合は、宅建業者に一定の業務遂行義務が課されますので、依頼者側も制限を受けますが、選択の余地はあると思います。契約の種類は依頼者が選択しますので、それぞれの特徴を考えて選んでください。よくわからなければ一般媒介で制限のない媒介契約を選択するのも一つの手かもしれません。
簡単に図解してみました
| 一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 | |
| 重複依頼 | 可能(明示・非明示) | 不可 | |
| 自己発見取引 | 可 | 不可 | |
| 有効期間 | 業法上規制なし | 3か月以内 | |
| 報告義務 | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 | |
| 機構登録義務 | 業法上規制なし | 7日以内 | 5日以内 |
| 申し込みの報告 | 購入申し込みがあれば遅滞なく | ||
媒介とは少し違う代理契約
媒介契約とは別に代理契約というものがあります。媒介契約との大きな違いは、宅建業者が取引の代理人となり、契約の締結までお願いできる点です。その他にも違いはありますが、今回は特に紹介いたしません。代理内容は依頼者と宅建業との間で協議して決めます。代理人が複数いると決定権が混乱してしまいますので代理をお願いするときは専任しましょう。
売主の依頼した媒介業者に買主も依頼した場合
売主も買主も同じ宅建業者に媒介依頼ができます。Web上で発見した希望物件の連絡先に連絡した場合は、知らずのうちにそうなる可能性が高いと思います。その場合は、宅建業者は双方の媒介を引き受けるので、どちらにも寄らず中立的に取引の安全と安心のために成約を目指します。そして、売買の当事者双方から媒介手数料を受け取ることができます。これを両手取引などと呼んだりもします。この場合の利点は、間にいるのが単一の業者なので情報伝達が早く、伝達漏れや確認漏れのリスクが低くなることです。欠点は、本当に中立的な立場に立っているのか判断しづらく、証明するのも難しい点です。総合すると、取引の迅速性で優位だと思います。
売主と買主がそれぞれ別の媒介業者に依頼した場合
制度的にはそれぞれに媒介業者がいることを前提としているようです。双方の媒介業者が依頼主のために調査や説明、交渉など取引の成約のために努力します。報酬は依頼を受けた側だけから受け取ります。しかし、相手方の媒介業者もいるので責任や業務の範囲も半分ずつで済みます。利点は、双方に専門家が付いている分、それぞれが依頼者に寄り添って助言や調査などをしてくれます。一方の業者では気付かなかったことに気付ける可能性もあります。逆に欠点は、情報伝達に手間がかかり予定調整などでも時間を要してしまうことがある点です。人から人へと情報が流れる分、誤解や誤認、漏れなどのリスクも高まります。総合すると取引の信頼性で優位だと思います。
媒介業者選択の基準
あくまでも個人的な推測ではありますが・・・最終的に媒介業者を選択する基準はその立ち位置で変わってくるのではないでしょうか。
言ってしまえば、
売りたい方は、「最も高い査定額の業者」
買いたい方は、「最も信頼できそうな業者」
を選ぶことが多いのではないでしょうか。
出典一覧
- 「宅地建物取引業法」 (媒介契約)第34条の二
- 「宅地建物取引業法施行規則」 第15条の九~
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