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「低廉な空き家等の取引の主役は就職氷河期世代!?」
就職、キャリアを積み、異性との恋愛を経て、結婚や出産育児、自宅を建て、子供の進路について悩み、学資を準備する・・・そうして、子も独立し、社会に出て、良縁があって結婚・・・孫を抱く。
そんな「普通でありきたりで幸せ」と呼べる人生を階段のように進んでいける時代が確かにありました。
今回の記事は、そんな幸せと無縁だった方にこそ、価値のある記事になっていると感じています。
それでは、いつも通り信頼できるデータを探し、検証・分析して、そこから策を練っていきましょう。
みんなが気になる年収の統計 2024-2025
最新の2025年12月発表の総務省「家計調査報告(家計収支編)2025年10月分 第1表主要家計指標-2人以上の世帯」を見ると、勤労者世帯(2人以上世帯)の平均世帯人数は3.2人程度であり、平均有業人員数は1.81人、平均世帯年収(2024年11月~2025年10月)は7,813,636円で、月平均にすると651,136円となっています。1年前の「家計調査報告(家計収支編)2024年平均結果の概要」の報告によると、勤労者世帯全体でみてみると2人以上世帯の平均世帯人数は2.45人、平均有業人員数は1.53人、世帯主の平均年齢は48.1歳、平均実収入月額は636,155円でした。単身者世帯に限った場合は、平均年齢は43.5歳、平均実収入月額は370,247円でした。以上のデータをわかりやすく表にまとめてみました。
勤労者世帯の人員数と収入額
| 属 性 | 平均世帯人員数 | 平均有業人員数 | 平均実収入月額 | 平均実年収 |
| 勤労者世帯全体 | 2.45人 | 1.53人 | 636,155円 | *7,633,860円 |
| 二人以上世帯 | 3.2人 | 1.81人 | 651,136円 | 7,813,636円 |
| 単身世帯 | 1人 | 1人 | 370,247円 | *4,442,964円 |
みんなが気になる貯蓄・負債の統計 2024
同様に2025年5月発表の総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年平均結果の概要 二人以上の世帯」をみてみましょう。二人以上世帯のうち、勤労者世帯は56.5%であり43.5%は無職世帯(主に高齢者世帯)であることがわかります。
【貯蓄】
勤労者世帯で二人以上の世帯の平均貯蓄額は1,579万円で、中央値は885万円になっています。世帯主が65歳以上・二人以上の世帯の平均値は2,509万円で、中央値は貯蓄0世帯を除いた数字ですが1,658万円になっています。
二人以上世帯の貯蓄額
| 属 性 | 貯蓄額(平均値) | 貯蓄額(中央値) |
| 勤労者世帯 | 1,579万円 | 885万円 |
| 世帯主が65歳以上の世帯 | 2,509万円 | *1,658万円 |
【負債】
二人以上世帯全体で負債のない世帯が61.2%です。勤労者世帯で負債のない世帯は44.9%です。負債のある世帯の平均負債額は1,709万円で、中央値は1,480万円です。負債のある勤労者世帯の平均負債額は1,858万円で、中央値は1,698万円です。二人以上世帯で負債の92.3%は住宅・土地のための負債で、全体で612万円、勤労者世帯で956万円であることもわかります。
二人以上世帯の負債額
| 属 性 | 負債無し比率 | 平均値 | 中央値 | 住宅・土地 |
| 二人以上世帯 | 61.2% | 1,709万円 | 1,480万円 | 612万円 |
| 勤労者世帯 | 44.9% | 1,858万円 | 1,698万円 | 956万円 |
【持ち家・住宅ローンの有無】
二人以上世帯のうち、勤労者世帯の持ち家比率は82.6%で、そのうち住宅ローン返済をしている世帯は43.4%、返済無し世帯は39.2%です。住宅ローン返済世帯の平均貯蓄額は1,204万円で、平均負債額は1,984万円です。それに対し、住宅ローン返済のない持ち家世帯だと平均貯蓄額は2,169万円で、平均負債額は364万円です。また、二人以上で負債を保有している世帯のうち50歳未満の世帯は負債超過になっていることがわかります。平均で見ると50歳から貯蓄額が負債額を上回ってくるという統計結果ですね。
二人以上勤労者持ち家世帯(82.6%)の貯蓄額と負債額
| 属 性 | 比 率 | 平均貯蓄額 | 平均負債額 |
| 住宅ローンあり | 43.4% | 1,204万円 | 1,984万円 |
| 住宅ローンなし | 39.2% | 2,169万円 | 364万円 |
実は気になる日本の人口動態
厚生労働省「人口動態統計」を見てみると、現在日本の人口は2024年10月1日現在で120,295,592人となっており、出生数686,173人、死亡者数1,605,378人で自然増減数は919,205人の減少になりました。出生数は調査開始以来で最少、死亡数は最多になったということです。しかし、婚姻件数は485,092組で10,351組増加しており、過去最少であった2023年よりは改善されていることがわかります。婚姻件数は明治時代よりは多く、大正時代から昭和初期と同程度です。なお、子供のいる世帯は全体の34.2%まで減少し、単身者世帯は38%に達しました。
そして、もうひとつご紹介したいのが、50歳時の婚姻状況についての統計です。国立社会保障・人口問題研究所で2025年に発表された1920年から2020年の100年間の人口統計資料の一部からですが、1970年までは男性の50歳時未婚率が2%未満であったのに対し、2000年には12%を超え、2010年には20%を超え、2020年には28.25%(3.5人に1人)に達しています。女性のほうも1960年までは2%未満であったのが、2000年には5%、2010年には10%を超え、2020年には17.81%(5.6人に1人)に達しています。
中古住宅市場のメイン世代について
ここまで、収入・貯蓄・負債・持ち家比率・人口・出生数・死亡者数・婚姻件数・世帯構成・50歳時未婚率などをみてきました。政府統計のデータでは年齢と共に貯蓄は上がり、負債は減るという傾向になっています。貯蓄が負債を上回るのが50歳からと読み取れますが、そのころになると親世代の相続や介護、入院、施設への入居などで親世代の生前対策を考えなければならない時期になります。親ではなく親世代と拡大した理由は、未婚または子供のいない叔父叔母の相続まで発生してくるからです。そうなってくると、中古住宅市場の売り手のメイン世代は50歳前後ということになるでしょう。そして、現代の50歳前後の方々はまだ子育て中の方も多く、住宅ローン返済が続いている方もいます。その上で空き家または空き家予備軍の実家等の処分や維持管理を負担せざるを得ない状況ということです。しかし、政府の制度や施策でそのための支援があるのかというとどうでしょう。ここまでみてきた政府の統計データも貯蓄0世帯や単身世帯についてあまり触れていないように感じます。そこで民間の調査結果も見てみましょう。金融広報中央委員会の世論調査結果を三菱UFJ信託銀行でまとめ記事にしているのでそちらを紹介します。
年代別貯蓄額(平均値・中央値)
| 単身者世帯 | 二人以上世帯 | |||
| 平均値 | 中央値 | 平均値 | 中央値 | |
| 20代 | 121万円 | 9万円 | 249万円 | 30万円 |
| 30代 | 594万円 | 100万円 | 601万円 | 150万円 |
| 40代 | 559万円 | 47万円 | 889万円 | 220万円 |
| 50代 | 1,391万円 | 80万円 | 1,147万円 | 300万円 |
| 60代 | 1,468万円 | 210万円 | 2,026万円 | 700万円 |
出典元:三菱UFJ信託銀行
社会に出て間もない一人暮らしの20代はともかく、40代と50代の単身者世帯の中央値が目立ちますね。二人以上世帯は年齢に比例するように貯蓄額も増えているのに対して、単身者世帯のうち30代は中央値で100万円の貯蓄額に対し、40代ではその半分まで減り、50代でも追い付いていません。平均値と中央値の乖離が大きく感じます。2026年現在の40~50代は就職氷河期世代と呼ばれる人たちです。就職氷河期世代とは、バブル崩壊後の1993年~2005年にかけて就職活動をしてきた世代で、現在40代から50代前半くらいまでの人たちです。しかもちょうど団塊ジュニア世代でもあり人数も多いです。この世代で単身世帯になっている人は、日本の失われた30年間に安定した職も収入も得られず、就職・結婚・出産・子育て・住宅購入などのライフイベントの機会すら得られなかった人たちが多く属していることが想像できます。
令和8年度税制改正の内容やフラット35の拡充項目などをみても、今回見てきた政府統計を見ても、またしても就職氷河期世代は蚊帳の外に置かれているように感じます。上の世代には出口戦略を与え、下の世代には住宅取得の支援をし、就職氷河期世代には?
就職氷河期世代の単身者または二人以上世帯であったとしても、貯蓄のままならない人たちが多くいます。それらの人は中古住宅市場で買い手にはなれないのでしょうか?
就職氷河期世代への新提案 「空き家を売って、空き家を買う」
就職氷河期世代は親世代の築古住宅の負担を余儀なくされます。相続した住宅に住むことは可能ですが、リフォーム等を行うにもリフォームローンになってしまいます。買取再販業者に買い取ってもらえれば幸いですが、断られた場合は負担ばかり重くなってしまいます。解体する資金もなく、売却もできなければ固定資産税や維持管理の負担だけが残ります。そこでひとつ、提案したいと思います。
「中古住宅を低廉な空き家等として売却し、中古住宅を低廉な空き家等として購入する」
「ちょっと意味がわからない」という声が聞こえてきそうですね。簡単に言い換えると「空き家を売って、空き家を買う」ということですが、この空き家問題解決策のポイントは、購入した不動産を改修する場合、購入代金とリフォーム等の費用も併せて住宅ローンが組めることです。しかも、月々の返済額を現在の家賃程度で長期・固定・元利均等払いの住宅ローンが組めるのならば十分可能なのではないでしょうか?現在年齢から支払い済み年齢までの最長期で計算した借入上限が購入資金上限です。ご自身にもしものことがあっても、住宅ローンで団体信用生命保険付きなら安心です。そして、相続した住宅も同様に誰かに安く購入してもらい改修して住んでもらうのです。それでも、自己資金の面で不安があるかも知れません。以前は空き家バンク経由の取引を除けば一定以上の価格でしか中古住宅の取引はありませんでした。その原因は、安い不動産の取引について宅建業法の規定が適応していなかったためです。今は制度改正によって低廉な空き家等の取引が活性化しています。取引物件価格が低ければ、手付金も金融機関に支払う事務手数料も抑えられます。頭金不要のフルローンもありますし、事務手数料や印紙代もローンに組み込める金融機関もあります。つまり、手元に大きな資金が無くても、金融機関の審査次第でリフォーム済み中古住宅を購入できる可能性があるのです。
低廉な空き家等の市場活性化は、売りたい人にとっても買いたい人にとっても、各種業界にとっても行政にとっても、未来に対しても、そして現在に対しても良いことだと思います。衣食住と言われる、人間が生きていくうえで必要な3要素のうちで最も大きな「住」について従来の価値観を捨ててもう一度考えてみませんか?
当社は、そのお手伝いをする準備をしてお待ちしております。
出典一覧
家計調査
- 「家計調査報告(家計収支編)2025年10月分 第1表主要家計指標-二人以上の世帯」
- 「家計調査報告(家計収支編)2024年平均結果の概要」
- 「家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年平均結果の概要 二人以上の世帯」
- 「家計調査報告(貯蓄・負債編)2024年平均結果 二人以上世帯」
出典元:総務省
出典元:政府統計の総合窓口【e-Stat】
人口動態
- 「人口動態統計(確定数)の概況」 2024年
- 「人口動態統計(確定数)の概況 結果の概要」 2024年
- 「一般世帯における世帯構成の推移と見通し」 2024年
出典元:厚生労働省
出典元:国立社会保障・人口問題研究所
年代別貯蓄額の世論調査
- 「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]」 2023年
- 「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」 2023年
出典元:金融広報中央委員会
出典元:三菱UFJ信託銀行











